衝動買いや無駄遣い・・・
なぜかしちゃうんですよね。。
もっと恐ろしいのが「自分が衝動買いや無駄遣いをしている」と認識しないままであるパターンがあること。
今回は、そのワケを行動経済学から学びましょう!
もし無駄使い誘惑に負けそうになった時、今回の記事を思い出して「ハッ!」と気づいていただければ嬉しいです。
選好の逆転現象
選好の逆転とは、行動経済学で
「人間は将来得られる大きなメリットよりも、目先の小さなメリットのほうを選んでしまいがち」
と言う現象のことを指します。
これからその現象の具体例をいくつかご紹介したいと思います。
あなたもAさんになった気分で読んでみてください!
①送料無料のワナ
Aさん:今日から楽天セールが始まるぞー!買う予定だったお水を買おうっと!
Aさんはいつも重たいお水はネットで注文しているそうで、今日は1,800円といつものお店より安い価格のお店を見つけたようです。
Aさん:なになに?送料400円が2,000円以上買うと無料だって!?
あと200円か・・・。そうだ!どうせ飲むだろうからマルチビタミンのサプリ600円でも買っておくか!
あれあれ?当初予定していたお水以外のものを買ってしまいましたね。
Aさん:えっ!!3,000円以上購入で次回使える300円クーポンプレゼント!?
うーん、、あ!この1,000円の化粧水、前から使ってみたかったんだ!ポチッ
これで全部で3,400円で300円クーポンゲット♪
なんと!ついに当初予定していた金額のおよそ1.5倍になってしまいました。
Aさん:ええっ!!この化粧水2本買うと、さらに1本無料でもらえる!?
それならもう1本追加して合計2本買わなくちゃ!
これで全部で4,400円!
ちょっと買いすぎちゃったかな??
でも欲しかったお水にどうせ飲むだろうマルチビタミンのサプリ、使ってみたかった化粧水が3本も!!
うふふ。得しちゃったー♪
今度、もらった300円クーポンで子供のおむつ1000円でも買おうっと。
あ、送料無料にしたいから2,000円分買わなくちゃ!
本来ならば、お水1,800円+送料400円の2,200円の買い物をする予定だったのにもかかわらず、その2倍の4,400円ものお買い物をしてしまいました。
「無料」や「クーポン」などのお得情報を見せられると、たとえ当初の予定より合計金額が高くなっても、「どうせ使うだろう」「これ欲しかったかも」などと適当な理由をつけて、目先の利益に飛びついてしまうという傾向が人間にはあります。
結局Aさんは、他で買う予定だったものや、それほど欲しくなかったものを、今回のお店でまとめて購入してしまいました。
つまりお店側の戦略にまんまとハマっていながらも、得をしたと感じており、とっても不思議なWIN-WINの関係になりました。
しかし、「節約」という観点から見れば、このAさんの行動は「衝動買い」です。
家計簿をつけてみて初めて、
あれ?コレいらなかったかも?無駄遣いだったな・・・
と思ってしまうかもしれませんね。
②メニューはどれにしようかな?
Aさんはうな重を食べにきました。
お品書き
Aさん:じゃあ、並で。
この場合、約7割の人が安い方を、3割の人が高い方を選ぶ傾向にあります。
うな重(並) 1,900円
うな重(上) 2,700円
うな重(特上)4,200円
Aさん:じゃあ、上で。
この場合人は、約半数が真ん中を選ぶ傾向にあり、約2割の人が一番安い方を、約3割の人が高い方を選ぶ傾向にあります。
最初の2つ選択肢では、一番安い「並」を選んでいたAさん。
なぜか選択肢が3つになると、真ん中の「上」を選んでしまいました。
これは高い価格帯のメニューを追加することで、「単純に価格が安いものよりかは多少品質が良いもの=上のうな重」という心理が働いた結果と言えましょう。
本来ならAさんは、並のうな重で満足感を得られたのかもしれません。
これも衝動買いのひとつに入るのではないでしょうか。
ちなみにこれも有名なマーケティングの手法でして、例えば10人のお客さんが食べたと仮定して計算してみましょう。
お品書き
うな重(並) 1,900円 7人
うな重(上) 2,700円 3人
合計売り上げ=21,400円
お品書き
うな重(並) 1,900円 5人
うな重(上) 2,700円 2人
うな重(特上)4,200円 3人
合計売り上げ=27,500円
同じお客さんの人数でもハイクラスなメニューを作るだけで単純計算で6,100円も売り上げがアップしたのです。
人間は非合理的な判断をしがち
人間は日常生活の中で価値判断をする際に、非合理的な判断をしてしまう時があります。
行動経済学者リチャード・セイラーは、このような人間の非合理的な判断の傾向を知ることで、普段の生活の中で、非合理的な判断をしそうになった時に、私たちをナッジ(nudge:注意を引くために肘で人を軽く突く)するためのものになっていくという考え方を示しています。
行動経済学を知ることは、節約・貯金を成功させる鍵なのかもしれません。
今回は行動経済学の中のほんの一部です。
まだまだたくさんあるので、また次回ご紹介しますね。